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zoom RSS 「戦略の失敗」について

<<   作成日時 : 2008/02/12 21:03   >>

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『現代思想』2008年2月号 特集=医療崩壊 「C型肝炎特別措置法の功罪」を読ませて頂いて、たくさんのことを勉強させて頂いています。毎日読んでいます。

考えている部分がたくさんあるのですが、初めて読んだ時から今までずっと、一番気になっている部分は、「原告団・弁護団の戦略の失敗」です。

そして、下のコメントを読ませて頂いて、考え込んでいます。
お二人の議論を必死で読んで考えています。

<白鳥一声>
薬害肝炎まとめ 2.被害者および弁護団の置かれた立場
http://8910-1000.at.webry.info/200801/article_27.html

(以下全部引用)

北村さん
> 弁護団は、あらかじめ血友病患者の方々にそれを説明し、理解を求めたそうです。また原告の方々には、「代表選手」という言葉を使って肝炎被害全体への配慮を求めたそうです。

これは【間違い】です。弁護団は血友病者およびその類縁疾患に説明していません。だから、

「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」案に対する意見書
http://www.livingroom.ne.jp/h/hcvopinion.htm

を出したのです。弁護団は「正義」ではありません。弁護団の言動は、鵜呑みにしてはいけません。

> いまの状況においては最善の解決策

そうは思いません。事後ですが、特措法は作ってはならない法律です。

> 被害者の方々や弁護団を非難することはできないと考えます。あえて非難の対象を求めるなら、それは政府であるはずです。

まず、特措法などどいう差別的立法を行なった与党が避難されるのは当然です。しかし、birds-eye さんもエントリで書かれているように、「全員」「一律」「救済」は、原告団・弁護団が言い出したことです。今に至る道を「作ってしまった」のは、原告団・弁護団だと「指摘」はできます。

> 政府が「一律救済」という結末を引き起こしてしまった

ここでいう「政府」とは「行政機関」のことですか。それとも与党の「内閣」のことですか。先にも言ったように、「一律救済」を最初に言ったのは、原告団・弁護団です。


birds-eye さん
>【間違い】
 ご指摘ありがとうございます。存じ上げませんでした。
 当該箇所に、いただいたご指摘を併記させていただきます。

>特措法は作ってはならない法律
 これについては、僕は以下のように考えています。

 「肝炎被害は、様々な立場がそれぞれの責務を怠ったことで拡大した。それは国(立法・行政)もそうだし、傍観した市民もそうだ。原告は確かに訴訟戦略を誤ったが、その≪誤り≫は他の立場の≪誤り≫に比べると同等か、あるいはそれ以下なのではないか?
 原告はついに訴訟戦略を改めることをせず、2008年1月時点で特措法の可否が問われることとなった。しかし、その法律を否定すると、このような様々な立場の≪誤り≫のツケが、全て原告の方々だけに降り注ぐことになる。それは正義に反するのではないか?
 差別的扱いにより救済されない方々には、別に『一般対策法』が整備されつつある。それは特措法の有無とは独立して、必要な施策が検討されるはずだ。」
 「もちろん、今回の特措法は避けられるべきなら避けるべきだった。繰り返されてはならない。
 しかし、2008年1月の時点でその法案を否決するよりは、様々なゆがみのしわ寄せとして甘受し、今後の努力として救済されなかった方々の対応を考える方がよいのではないか?
 その意味で、(原告が譲らなかった以上、2007年末〜2008年初頭の国の判断としては)最善だ」

>今に至る道を「作ってしまった」のは原告団・弁護団と「指摘」はできる。
 はい、その通りだと思います。すでにお読みいただけたかと思いますが、連載4で(僕としては辛めに)「指摘」させていただいたつもりです。

>ここでいう「政府」とは?
 厚労省(旧厚生省)および、おおむね1970年代後半からの歴代内閣、くらいを考えています。
(勉強不足で、明確な範囲は決められていません)
 「一律救済」を訴えたのは原告側の誤りとしても、訴訟を強いるところまで彼らを追い込んだのは行政であるという認識です。


北村さん
>その≪誤り≫は他の立場の≪誤り≫に比べると同等か、あるいはそれ以下なのではないか?≪誤り≫のツケが、全て原告の方々だけに降り注ぐことになる。それは正義に反するのではないか?様々なゆがみのしわ寄せとして甘受し、

特措法成立後なので、それと関連させて言わざるを得ないのですが、原告団・弁護団の戦略の失敗は、いわゆる「今回切り捨てられた人々」にも、影響を与えています。それは「甘受」できることなのか。コメントされているあきさんや小林さん、その他多くの方々は、「甘受」できるのだろうか。

もちろん、第一義的に責められるのは、国・製薬企業であることは前提として、です。

>その意味で、(原告が譲らなかった以上、2007年末〜>2008年初頭の国の判断としては)最善だ

良く言って「次善」だと思います。『現代思想』でも若干触れましたが、訴訟終結の方法として、本当に議員立法しかなかったのか。これはもっと問われるべきだと思います。

このエントリで「政府」の定義について言及したのは、舛添厚労相、厚労省などの関係者の間に「温度差がある」と感じるからです。「全員一律」を文言通りに受け取れば、輸血からの感染者も含みます。
厚労省は、文言通りに救済すれば、莫大な金額になることを「誠実に、現実を」回答したと思います。
これは官僚の抵抗ではないと、私は考えます。


birds-eye さん
> それは「甘受」できることなのか。
 そこが今回の解決でいちばん辛いところだと、僕も思います。本当にそう思います。

 ただ、今回の解決は僕も痛恨に思っているのを表明した上で、それでもこの解決に忍従する理由を挙げたいと思います。

 まず、今回の特措法がなくても、「切り捨てられた人々」の処遇は実質的には変わらなかったと思います。一般対策法は他の疾病とのバランスを考え、今と同じ水準で検討されたのではないでしょうか?

 「不平等な扱い」ではありますが、実際に原告の方々は裁判と世間の矢面に立ちました。数千万の補償金は大きすぎます(記事にも繰り返し書きました)が、他の方と全く同じ扱いというわけにも行かなかったと思います。

 切り捨てられた方々が「ないがしろにされる」のは、特措法が社会に発信するメッセージ「彼らは薬害じゃない」によるのだと思います。
 それは、僕たち市民がそう受け取らないよう気をつけるべきことです。

 原告の方と弁護団は「私人」であり、言ってしまえば「他人に配慮する義務はない」のだと思います。
 そしてその要求を突きつけられた国としては、本質的には「呑むか、蹴るか」の二択だったと思います。政情的に、蹴ることはできない状況でした。
 このような主体同士で問題解決を試みた時点で、今回の解決が望みうる限界だったのではないでしょうか?

 共闘したのに切り捨てられた方々が原告を非難することはできます。でも部外者である僕としては、弁護団の戦略がなければ関心を持たなかったかもしれないという後ろめたさもあります。
 僕自身が「切り捨てられた方々」に非難されることまで含めて、「甘受」すべきなのだと思います。

 この件、ご批判、お叱り、北村さまに限らずどなたでも書いていただければ幸いです。
 ご反論なども含めて、この件は追記させていただきます。

> 本当に議員立法しかなかったのか。
 これは、僕は政治に疎いので他の選択肢が思い浮かびません。検証されるべきなのには同意した上で、北村さまの記事をお待ちいたします。

> 官僚の抵抗ではない
 僕も抵抗とまでは思っていません。「誠実に、現実を」回答したことには同意します。しかし、不作為ではあったと思っています。
 「文言通りに救済すればこう。現実的な妥協の可能性としてはA、B、Cなど。譲ってはならない一線は××で、その理由は△△。」という選択肢を厚労相や議員に出していれば、もっと良い解決を望めたと思っています。(連載7、「ウイルス性肝炎のインターフェロン療法支援については」以下をご参照ください)

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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
 ご紹介いただきありがとうございます。必死で議論しています。(笑)

 北村さんと僕とで、「訴訟戦略の失敗」は前提とした議論をしていますが、そもそもそこの部分にも反論のある人はいるんだろうな、とか思ったりします。
 難しい問題です。

 一つだけ、お願いがあるのですが。
 引用していただいた最後のコメントについて、原文通りに空行を入れていただけるようお願いしてもよろしいでしょうか?
 その方が、読んでくださる方に読みやすくなると思いますので(焼け石に水、ともう一人の自分がツッコみますが)
birds-eye
2008/02/12 23:21
すみません。
すぐ直させて頂きます。
 m(_ _)m

特別措置法が成立して1ヶ月ぐらい経ちましたが、やっと私自身が少し冷静になった気がします。
アイスゆず
2008/02/13 00:21
読ませて頂くだけの私が、弱音を吐いては申し訳ないのですが、本当に、読むことも必死です。
アイスゆず
2008/02/13 22:26
 修正、ありがとうございました。お手数おかけしてしまいました。

 いやあ、もう読まれる方への配慮もできないくらい青息吐息です。砂時計マークという感じなので、乱筆ご容赦いただければ幸いです。
 そのうち、議論の結果を記事にまとめたいと思っています。
birds-eye
2008/02/14 00:33
とんでもないです。
文章は、とても読みやすいのです。
すっと読めるから、問題が直接、ガンと頭に入ってくると感じます。
問題があまりに難しくて、考えるのに必死になっています。
アイスゆず
2008/02/14 01:04
>司法という手段に頼らざるを得なかったのは、僕たち国民が至らなかったからです。原告が仮に司法という手段をとらず、市民運動で肝炎対策の拡充を求めていたら、これほどまでに世論は動かなかったと思います。

私は、初めて北村さんの「C型肝炎特別措置法の功罪」を読ませて頂いた時から、こう思っていました。まさに、この通りに思っていました。
アイスゆず
2008/02/14 01:25
>アイスゆずさんや僕をはじめ、一般の方の多くは「一律救済」というキーワードをとっかかりとして肝炎問題に向き合っていったと思います。
>原告の方針のおかげでその事実に気づいた「一般の人」に、原告を責める資格があるのかどうか、その点に僕は疑問を感じています。

まさに、この通りに思っています。

でも何か、まだ私が分かっていない重要なことがあるような、もう少しで分かりそうな、そんな気がして必死で考えています。
アイスゆず
2008/02/14 01:31
>でも何か、まだ私が分かっていない重要なことがあるような、

私が現在、知っている範囲で、かつ私が書き込んでいない内容だけでも、たくさんありますよ。今回の訴訟のそもそもの経緯とか(私自身はまだ完全にウラを取ってません。信頼できる筋からのまた聞きですが)。

ほとんどが生臭いことです。訴訟ですから生臭いことが多かったり、それによって訴訟の過程などが決定してしまうことは、ある程度、致し方ないことです。
北村健太郎
2008/02/14 13:39
北村さん、ありがとうございます。
 m(_ _)m
教えて頂いた、『現代思想』2月号p127−129の山田真氏インタビューを読みました。私は、自分が裁判がどんなものなのか全く分かっていない、とがっくりしています。

<白鳥一声>
「薬害肝炎まとめ 3.弁護団も「正義」ではない」
>僕たちは、とかく簡単な構図を求めてしまいがちです。水戸黄門が悪代官を裁くように、裁判所が機能することを求めてしまいます。

くやしいですが、こちらでおっしゃる通り、簡単に考えてしまっていました。

「今回の訴訟のそもそもの経緯」は、どんなものなのかなあ、と考えています。
アイスゆず
2008/02/14 21:01

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